前回のガイド記事「二世帯住宅の基礎知識」で二世帯住宅の種類・タイプと、それぞれのメリット・デメリットについてお伝えしました。今回はそれに続き、新築で二世帯住宅を建てる際に、費用・価格を予算内に抑えて良い家を建てられるように、賢く二世帯住宅を建てる手順をお伝えします!
まずは、どのような二世帯住宅にするか、イメージ、理想を固めていくことが大切です。ハウスメーカーや工務店、建築家のホームページなどに二世帯住宅の事例が掲載されていますので、まずはそれらを見て、どのような二世帯住宅を建てるか、イメージ・理想を固めていきましょう。SumaIdea内にも、二世帯住宅の事例を掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。
>>二世帯住宅の事例
また、大手のハウスメーカー、工務店は、二世帯住宅のモデルハウス、モデルルームを設けているところもあります。実物大の空間を体験できればより具体的にイメージも固められるので、お近くにあればぜひ足を運んでみてください。
どのような二世帯住宅を建てるかイメージがわいてきたら、次は二世帯住宅の建築を依頼する先を決めましょう。
主な選択肢は、ハウスメーカー、工務店、建築家の3つ。以下、それぞれのメリット・デメリットを挙げますので、じっくり検討してみてください。
ハウスメーカーで二世帯住宅を建てる最大のメリットは、事前に実物大の二世帯住宅を確認できること。ハウスメーカーは企業規模が大きくモデルハウスを用意していることが多いので、見学に行って気に入った住宅があれば、ほぼ同様の二世帯住宅を建てることができます。また、基本的に大手企業なので、アフターケア、土地探しのサポートなど、施工以外のサービスも充実しています。
一方、ハウスメーカーで二世帯住宅を建てるケースのデメリットは、費用が高いこと。ハウスメーカーに建築を依頼しても、実際の工事を行うのは工務店なので、ハウスメーカーの利益、経費分だけ建築費用は高くなります。広告、モデルルームの維持、人件費などの経費は大きく、直接工務店に依頼するよりも費用がかかることは覚えておいてください。
工務店で二世帯住宅を建てるメリットは、なんといっても建築費用。工務店が工事を行うので、実質、ハウスメーカーや建築家に支払う費用分だけ価格を抑えることができます。
一方で、工務店で二世帯住宅を建てるデメリットは、施工と工事監理が同一の会社であること。施工と工事監理が一緒だと、手抜き工事などを見抜くことが出来ません。ほとんどの場合、施主は建築の素人なので、工事品質をチェックすることは出来ないためです。
また、工務店は小規模な組織が多く、工務店によって技術力や信頼性などに大きな差があります。工務店に依頼するときは、複数の工務店を比較しながら、信頼できる工務店かどうか、時間をかけて見極めるようにしてください。その工務店が手掛けた二世帯住宅を見せてもらえればなお良いですね。魅せてもらえないか、ぜひ聞いてみてください。
建築家(設計事務所)に依頼して二世帯住宅を建てるメリットは、細部までこだわった二世帯住宅を建てられることと、予算内で最上の家を建てられること。建築の専門家である建築家は、その知識、経験を活かして、施主の理想に近い、予算内で出来る限りのこだわりを実現してもらえます。
また、実際に工事を行う工務店の選定や見積のチェック、工事監理も行ってもらえるので、手抜き工事や不当に高い費用を請求されるといったトラブルを防ぐことも出来ます。
一方、建築家に依頼して二世帯住宅を建てるデメリットは、費用。建築費用とは別に建築家に支払う費用(建築費用の10~15%程度)が発生するため、工務店に直接依頼するよりも費用はかかると思います。ただ、工務店との交渉、相見積、見積のチェックなどを施主の立場で行うので、建築費用自体を抑えられることが多いといえます。
ハードルが高いと思われますが、施主の代理人として、施主の立場にたって家をプロデュースしてもらえる、良い選択肢だと思います。
ハウスメーカー、工務店、建築家、それぞれのメリット、デメリットを比較しながら、自分に合うのはどこかを検討してみてください。
既に土地を所有していなければ、土地の購入は工務店や建築家など、建築、住宅の専門家と一緒に土地を選ぶことをおすすめします。土地を購入してから工務店や建築家を探す方も多いですが、土地によって建てられる二世帯住宅に制約が生まれるためです。
不動産業者は、「土地売買」の専門家で、建築、住宅の専門家ではありません。不動産業者の「良い土地」と工務店、建築家にとっての「良い敷地」とは異なるケースも多いので、土地購入の契約前に、工務店、建築家に現地を確認してもらうようにしましょう。二世帯住宅にはは広めの敷地が必要ですし、独立型の完全二世帯住宅の場合は玄関を2つ用意するので、道路、門からの動線にも配慮が必要です。立地や坪単価の比較だけで購入してしまうと後悔することも多いですので、ご注意ください。
なお、事前に候補地を絞り込んで、仮押さえなどを行っておくのは問題ありません。
工務店、建築家の選定、土地の購入が終われば、具体的なプラン・設計を決めていきます。
ハウスメーカーの場合は、あらかじめモデルハウスで確認し、いくつかの選択肢の中から要素を絞り込んでいくケースが多いかと思います。
工務店、建築家の場合は特にフォーマットがあるわけではなく、細かい希望も汲んでもらえます。最終的な設計図が完成してからの変更は工務店、建築家の負担が大きく追加費用がかかる可能性もあるので、基本設計(最終的な設計の前に行う設計)の段階でしっかりと確認し、自分の希望とずれがないか、慎重に検討するようにしてください。
プランが固まり、設計図が完成すれば、いよいよ工事開始です。
ハウスメーカーの場合は、ほぼマニュアル化されているので、あまり心配はいりません。工期も他より短くて住むことが多いです。ただ、ハウスメーカーの通常のプランにはないオーダーを行うなどマニュアル外の工事には不慣れな可能性もあります。想定外のトラブルで追加工事が必要な場合も、高額になるケースが多いと思います。
工務店の場合、実際の工事を行う会社と工事を管理する会社が同じですので、専門家による第三者のチェックが入らないのがリスクといえます。住宅、建築に関する専門的な知識を持っているのであれば問題ありませんが、そうでない場合は、追加工事、追加費用を要求された際は、自治体や建築家などに一度相談してみたほうが良いでしょう。
建築家の場合は、工務店が行う工事を設計どおりに行っているかどうか、施主に代わってチェックしてもらえます。トラブルにも施主の立場で対応してもらえ、追加工事が必要な場合も本当に必要な工事かどうか、費用が適正かどうかについてアドバイスをもらえます。
工事が終わると、いよいよ完成です!
以上、「新築で賢く二世帯住宅を建てる手順」でした。大まかな手順なので、建てたい二世帯住宅の理想、こだわり、ご予算、エリアなどによって、多くの不安や悩みも出てくると思います。そんなときは、ぜひSumaIdeaのサービスをご利用くださいね。
「家づくり相談室」ではWEB上に質問を公開して専門家から回答を受け付けることができますし、「家づくりサポートデスク」では、サポートスタッフによる無料相談や、相性の良い建築家の紹介を行っています。どちらも無料ですので、お気軽にご活用ください!