ビルや商業施設、マンションのイメージが強い鉄筋コンクリート(RC構造)ですが、戸建住宅も建てられています。「丈夫そう!」「スタイリッシュな雰囲気」というイメージのある、鉄筋コンクリート住宅。今回は、そのメリット・デメリットについて解説します。
鉄筋コンクリート住宅とは、その名のとおり鉄筋の入ったコンクリートで造られた住宅のことです。「Reinforced Concrete(補強されたコンクリート)」の頭文字をとって、RC構造(RC造)と呼ばれています。
まずは、鉄筋コンクリートの長所、メリットから考えて生きましょう。
鉄筋コンクリートの長所は、やはりその強度。圧縮する方向に対して強い強度を持つコンクリートと、引っ張る方向に対して強い強度を持つ鉄筋の組み合わせは、木造住宅や鉄骨住宅と比較してもかなり強く、また6面体の構造(モノコック構造)で外からの圧力を分散して受け止めることが出来るため、高い耐久性、耐震性を誇ります。 日本は地震大国ですが、これまでに起った大きな震災でも、鉄筋コンクリート住宅は少ない被害ですみました。
また、コンクリートは不燃素材ですので、耐火性も非常に高いです。耐火建築物として、防火地域にも建築することができます。 断熱性、気密性も高く、高い冷暖房効果を得られます。また、コンクリートは音が通りにくく、遮音性も高いです。交通量の多い主要道路や線路沿いでも、かなりの音をさえぎってくれます。
鉄筋コンクリート構造の強度ゆえに、広い部屋も造ることが可能です。大空間リビング、1階を駐車場にした住宅など、間取りも自由に考えることができます。
続いて、欠点、デメリットを考えていきます。
最大のデメリットは、建築費用の高さ。木材と比べても材料費が高く、坪単価では10~30万円程度上がってしまいます。
また、鉄筋コンクリートは木に比べ重く、建設地の地盤にある程度の強度が求められます。地盤強度が弱い場合は、地盤改良の工事などが必要となり、建築費用はさらに大きくなります。
その他、気密性・断熱性の高さから、結露も発生しやすいといえます。結露はカビやダニの原因となるため軽く考えてはいけません。対策としてペアガラスなどの導入が考えられますが、建築費用は上乗せされます。
以上、鉄筋コンクリート住宅(RC構造)の主なメリット・デメリットを挙げてみました。この他、木造住宅は温かみがある雰囲気、鉄筋コンクリートは洗練された、スタイリッシュな雰囲気など、意匠的にも大きく異なります。予算、地盤、デザインの好みなどを踏まえて構造を考えてみてくださいね。