テレビコマーシャルやインターネットの広告でもお馴染みの大手ハウスメーカー。大手だからこそ安心できるイメージがあると思います。今回は、そんなハウスメーカーのメリット・デメリットを解説します。
ハウスメーカーとは、文字通り住宅の建設をメインに行う住宅建設会社のことで、住宅メーカーとも呼ばれています。特に全国規模で営業している大手企業をハウスメーカーと呼ぶことが多く、限られたエリアで営業する住宅建設会社は、ハウスビルダーと呼ばれハウスメーカーと区別されることもあります。
エリア毎の営業所、技術研究・開発予算、工場生産、モデルハウスなど、企業規模・資本の大きさを活かした営業を行ってます。
それでは、ハウスメーカーで家を建てる長所、メリットを考えていきましょう。
第一のメリットは、建材の品質、工事の品質の安定感。ハウスメーカーの場合、プレカット工法、<ツーバイフォー工法、プレハブ工法など、工場での大量生産を行っていて大工・職人の技術の影響が小さく、安定した品質の住宅を建てることができます。
建設の流れもシステム化・マニュアル化が進んでいて、後期も短め。予定より延長してしまうこともあまりありません。
また、数多くの住宅を供給しているため、住宅建設の実績数は圧倒的です。
ハウスメーカーの多くは各地にモデルハウスがあり、建てる前に雰囲気や使い勝手、機能などを確かめることが出来ます。写真ではなく実際に体感できるため、かなり具体的なイメージを確認できます。
多くのハウスメーカーは、耐震・免新技術、断熱・省エネ性能など、予算を組んで新しい技術の開発・応用に取り組んでいるため、最新の技術を導入した高性能の住宅を建てることができます。
中小規模の工務店ではこのような研究は難しいため、ハウスメーカーによる技術研究・技術開発は、業界的にも価値が高いといえます。
逆に、ハウスメーカーの欠点、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
同じような家を建てる場合、地元の工務店よりもハウスメーカーで建てたほうが費用が高くなる傾向にあります。
大量仕入による仕入れコスト減、効率化・工場生産によるコスト減など、費用を抑える要素も多い一方、営業コスト(人件費、各地営業所のコスト)や広告宣伝費、モデルハウスの維持費用などがかかっています。
テレビやインターネットなど、様々な場所で目にするハウスメーカーの広告。これらの広告にかかる費用は、全て住宅購入価格に含まれます。住宅展示場への出展費用、モデルハウスの建築費用なども同様です。
人件費も、求人広告などで目にする給与と人数を考えると、相応の金額になることが想像できます。
ハウスメーカーは、工場生産、システム化・マニュアル化で、住宅を規格化していることが多いです。
規格化・量産化によるコスト減、工期短縮、品質の安定化といったメリットがある一方、カスタマイズ性、設計の自由度は落ちます。
そのハウスメーカーの規格・マニュアルにない間取りや仕様は、対応できない、あるいは追加費用が大きく膨らむといったケースも多いようです。
旗竿地などの変形地や狭小地、高低差のある土地、建ぺい率・容積率や高さ制限など、敷地条件の厳しい土地も、規格・マニュアル外でコストが膨らむ要因になり得ます。
ハウスメーカーの場合、実際の工事は下請けの工務店さんが行います。
同じ設計図でも、現場監督さんや職人さんの技量によって品質に大きな差が出ることもあるのですが、ハウスメーカーに依頼すると、下請けの工務店は選べません。
同じハウスメーカーでも、住宅品質について口コミ・レビューで差があるのは、この点が大きく影響しているのではと推測しています。
建築家・設計事務所の場合、設計事務所による相見積・競争入札で工務店を選定し、建築家がお施主さんの立場で工事監理を行うため(お施主さんとの契約は設計監理契約になります)、手抜き工事のリスクが提言され、高い工事品質が期待できます。
以上の特徴・メリット・デメリットを整理すると、
・ハウスメーカーに気に入ったプランがある
・普通の家でいいから楽に建てたい・早く建てたい
・実物を確認してから建てたい
といった方は、ハウスメーカーでの注文住宅をおすすめします。
一方、
・自由度・デザイン性・品質の高い家を適正価格で建てたい
・自分と家族にとって良い家、暮らしやすい家を建てたい
・工事品質や見積に不安があるから第三者のプロ(建築家)に監理してもらいたい
といった方は、ハウスメーカーだけでなく、建築家・設計事務所にも相談してみた方が良いでしょう。
住宅を専門とする建築家は相談無料でコミュニケーションを大切にしている人が多いため、決して敷居は高くありません。気軽に相談してみてください。
気難しい建築家もいますが、「相談無料」「設計施工分離」「施主からの評価が良い」といった点も踏まえ建築家の紹介を行っていますので、よろしければお問い合わせください。